法務局から「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」という通知書が届いたら、どうしたらいいの?
先日、あるお客様からご相談がありました。
法務局より『あなたの会社は、最後の登記から12年経過していますが、その後一度も登記されていません。 会社がまだ廃業していないのなら、廃業していない届出を法務局へ提出、または登記を行って下さい。 このまま、2か月廃業していないという届出、または登記を行わないと、解散したものとみなしますよ!』という文書が届いたそうです。
お客様の会社は順調に営業しおり利益も出しています。
どうしたらいいの?
株式会社・一般社団法人・一般財団法人にはそれぞれ役員の任期が定められています。
① 株式会社
取締役
取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。(会社法332条1項)
→公開会社でない会社は、10年まで伸長可能 ※定款による短縮可能
監査役
監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。(会社法336条1項)
→公開会社でない会社は、10年まで伸長可能 ※定款による短縮不可能
② 一般社団法人及び一般財団法人
理事
理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。(法人法第66条)
→定款または社員総会により短縮可能
監事
監事の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。(法人法第67条1項)
→定款により「選任後4 年→2年」に短縮可能
仮に、役員のメンバーに変更がない場合でも、株式会社では最長10年、一般社団法人及び一般財団法人は2年毎に、役員変更登記が義務付けられています。
その、変更登記を一定期間(※1)怠ってしまうと、「登記がない=休眠している」とみなされ、法務局が会社を解散させてしまう手続をとります。
※1 株式会社:最後の登記から12年を経過、一般社団法人及び一般財団:最後の登記から5年を経過
それを、「みなし解散」といい、その手続きを知らせるための通知が、先ほどのお客様宛に届いた通知書でした。この通知書を受け一定期間、所定の手続きを怠ると「解散登記」が法務局の職権で登記されます。
みなし解散登記がされても、その後3年以内であれば、株主総会を開いて会社継続の決議をしたうえで、会社復活の登記をする事が可能ですが、手続費用的にも大きな負担がかかります。
また、登記懈怠があったとみなされ、裁判所からペナルティ(過料)が課せられることになります。
当事務所での対応
当事務所では、任期懈怠がおこらないよう任期時期を迎えるごとに通知等を行っています。
お困りごとがありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
資料
① 休眠会社・休眠一般法人の整理作業に関するリーフレット (法務省)
http://www.moj.go.jp/content/001330404.pdf
② 休眠会社・休眠一般法人の整理作業について (法務省)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00083.html